俯瞰されることに逆ギレする支配者層

  何ヶ月か前に映画監督の深田晃司さんから教えてもらった映画の事が今でも気になってます。(元ネタはアーティストの藤井光さんなんですが)記録映画「ハウーカ」についてです。Jean Rouchという監督が撮ったアフリカのアクラという土地で1927年から継続されている新興宗教「ハウーカ」のセレモニーについての記録です。この儀式は普段普通に生活をしている人たちが儀式のトランス状態の中である種の役割を演じるという状況が写されています。問題はこの演じている内容で、決して彼らの先祖の昔話を演じているのではなく、白人が入植し、彼らを支配していた時代の事なども演じられているという点です。例えば「機関車」「タクシー」「統治者」「統治者の妻」「軍人」そういった近代的なものに信者が変身して演じるのです。また、興味深いのはこの後で、この宗教行事での様子がアカデミックな世界で注目された後、一部の支配層(フランス人?)の知識人がこれに激怒した事です。
 私はなぜ白人が怒ったのかを想像したのですが、おそらくは「被支配者層」とされてきた人が「支配者層」を逆照射した事が「お気に召さなかった」のでは無いかと思います。
 まあ、いろいろ想像で書いてるんで、また固まってきたら追記します。