アニー・リーボヴィッツ〜レンズの向こうの人生

(以下ネタばれあり)

 映画「アニー・リーボヴィッツ〜レンズの向こうの人生」見ました。
 アニー・リボーヴィッツというとジョンレノンが死ぬ数時間前の写真や、デミ・ムーアの妊娠ヌード写真で有名な人ですが、実は割と地味な日常等の描写も得意とする写真家です。彼女の写真にはテーマ性があり、セレブがこぞって撮られたがる売れっ子作家です。

 この映画は洗練されたスタンダードな作品です。全ての女性に見て欲しい映画だと思います。アニー超カコイイです。そこら辺の男より断然カッコイイ!クールです。
 日本にはライフスタイル雑誌が山ほどあり、モデルとなるライフスタイルを演じる芸能人やセレブがいるけれど、女性にとってアニーの様なひな形は日本にはいない。別に男並みに頑張らなきゃとか肩肘張ってる訳じゃなくて転がる様に写真家としての人生に夢中だっただけで、「客体としての自分」なんてものはみじんもないわけです。そこがカッコイイ。本当に自分がやりたい事を、のびのびとやり、写真の為にならどんな危険も、手間もいとわない。素敵な女性だー。
 たまたまパートナーがスーザン・ソンタグというアメリカを代表するリベラル派の知識人の女性だった。(行動派でも知られていて、とにかく世界中を巡ってテキストを書いて来た人らしい。代表的な著書に「反解釈」がある。)彼女はアニーのパートナーであり、戦友だった。お互いに対する尊敬が彼女達を惹き付け合ったあったのだろう。元々ロックやポップが専門(要するにやんちゃ系)だったアニーは徐々に影響を受け93年には戦火のサラエボで撮影をしている。ちょっ!これってさ!どーよ!どーよ!すごいロマンスじゃない?!もう韓流ドラマどころの騒ぎじゃないよ!なんて素敵なカップルなんだろう。うっとり・・・。

 彼女は言っていた。「写真を撮っていると言っても決してその人の人生なんて撮れない。自分が接するのは一部を切り取ったものでしかなく、本当の人の人生はもっと複雑で深いものだ」って。躍動的なダンスの写真も多いが「写真ではダンスは撮れない」とはっきりと明言している。この潔さ。謙虚さ。大事ですよね。
 
 ちなみにこの映画は妹さんのバーバラ・リーボヴィッツが撮っている。かなり硬派な映像作家で、FBIを密着取材するようなドキュメンタリーなどを監督していきている。なんだか、すごい姉妹ですねw

 映画をみてすぐに紀伊国屋書店へ。リーボヴィッツの写真集を買う為に!でも在庫無し。がっくし。ジュンク堂に行ったら一冊あった。でも13000円ワープアに厳しい値段wでも買ったよ。「和民」に4回行かなければいいのだw。それでも各店舗で映画の影響からお客さんが殺到して品切れ状態。売れている!でもそれだけこの映画が面白かったから売れてるんだねー。

http://annie.gyao.jp/
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