戦後を生き延びる為の物語

 赤坂真理の「モテたい理由」の感想を書こうと思ったんだけど、正直まだローディング中って感じなんで、その「なんとなくつながりそうな感じ」をメモっときますね。
 今のいままで自分はSHG(セルフヘルプグループ)というものは万能だと思ってたんですね。なにしろ自分はそのシステムのお陰で長年煩っていた摂食障害過食嘔吐)やらなんやらから脱出できたので。赤坂はそのSHGのメソッドを使った大規模な実験として中国の「撫順戦犯管理所帰りの元日本兵」を例に上げている。彼らは自分たちの戦争犯罪を繰り返し収容所内で懺悔する事でストーリーを構築し、帰国後もその物語を繰り返し伝えて行く事で生き延びて行った。とにかくそれが彼らがトラウマから脱出する唯一の装置だったんだと。私自身も罪を犯した人間とその人間が生き直す事にかんしては興味があったので撫順のケースは知っていたし、中国のそのメソッドは悪く無いんじゃないかと思ってたし、そのメソッドがアメリカや日本の精神医療の現場で使われていたセルフヘルプの概念に似ている事も知っていた。(元々の発生はアメリカでつくられたアルコール依存症者の為の回復プログラムだったが)ただ、赤坂に言わせればそれは「高度に洗練された洗脳」だったんじゃないかとくくっている。がしかし、ここでは私はその正誤、善悪、政治性については一切触れない。
 じゃあ本土にいた人間は撫順帰りの兵士を一笑に付し馬鹿にできるか?国民的トラウマがなかったか?いやあった。正直に認めるなら日本は米国の植民地でしかないけれど、人々は表面上それを「見ない」。戦後は戦争も、思想も、宗教も語る事が「禁止事項」だった。その日本人の行く先が高度にシステム化された「優秀な消費者」だった。ホリエモンの名言「金には色が無い」へ繋がる。(そしてここから延々八割ページ数を裂いた最も優秀な消費者モデルとしての「愛され女エビちゃん」へと繋がる」
 日本人はどうやってその国民的トラウマを昇華してきたのか?それにはどんなストーリーが必要だったのか。人々は今もその物語を後生大事に抱えているのか?癒されたのか?それともこじらせたのか?(どう考えてもこじらせてる様に見えるが)
  自分的には頭悪いんで、これ以上はわからない。って事で継続審議。