「ダーティーハリー」

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  70年代のアメリカが舞台。ゾディアック事件という実在の連続殺人の愉快犯をモチーフにサンフランシスコを舞台として撮影された刑事ドラマ。
生々しいフィルムに写されたサンフランシスコはちっとも明るくなくて、むしろあの時代の暗さがそのまま現れているような感じがした、90年代のヒーローものにはありえない、複雑で、等身大の人間が描かれる。犯人の青年ってベトナム帰還兵って設定なんだね。うわ、なんか心にヒットした。結局捕まっていた14歳の少女は助からず、白くて生々しい遺体が現場から掘り出されるシーンを高台からカメラが望遠で撮っているんだけど、その様子がやけにリアル。主人公が高台からその様子を眺めている視点で撮られているからかな。(私このシーンを6歳くらいの時に見てるんだけど、ハッキリ覚えてた。優れた映画のワンシーンはこんなにも残像として人の記憶に残るのか!)美しくて、強くて、明快で・・・そういった物語性が求められる今の世の中でこの作品のリアル感が乾いている自分に染みこんできた。ああ、昔の映画きちんとみないとなあ。