パッチギ LOVE & PEACE

rena11252007-05-25

 今日は新宿で井筒和幸監督の「パッチギ LOVE & PEACE」を見てきたよ。ジャッキー・チェンの映画と悩んだ末にコッチにしたよ。実は友達の前評判は悪かったんだけど、まあ、一応見てよかったと思った。ただ、なんか、不完全燃焼ぎみなものを感じた。井筒監督に求めるものって見た後の爽快感だと思うんだけど、今回の第二作にはユーモアと突き抜け感が無いために見た後の後味がちょっと悪かった。
 在日朝鮮人コミュニティーの貧困や彼らの二世代前の戦争体験、そして社会の中での差別をリアルに描いていると思うけれど井筒監督はドキュメンタリーにはないエンターテイメント性があるからより多くの人にすんなりとメッセージを届ける事ができる力のある人だと思うんですね。でも第二作はかなり教条主義的に日本人の朝鮮人差別意識と歴史上での戦争責任の不精算についてたたみかける様に批判していて、何も予備知識の用意のない日本人が見た時に「なんだよ、コレ。反日映画じゃんか」と一蹴してシャッターを下ろしてしまう可能性があるなあ・・・と思ったんです。もちろん事実は事実。日本人がやってきた事、その事実は真摯に受け止めなければいけない。私たちにはその義務があると思う。(ちなみに私は幸運にもいろんなドキュメンタリーや書籍でどれだけ日本人が酷い事をアジアの人々にしてきたかは人並み以上に知ってしまったのでこの映画で表現している事には全く抵抗感無かった)でももしも、この映画の役目が「架け橋」なんであれば、今回は戦略的には失敗だったように思う。
 偉そうに申し訳無いんだけど、正直な感想はこんなところ。
 でも、やっぱり監督の実績があるから今日も映画館は平日にもかかわらず満員だったし、若い高校生とかも沢山この映画を見に来ていた。在日らしい子どもも見かけた。国籍や世代の壁を越えて映画を通して知らなかった事実を知る意味ではとてもいい機会になるかもしれないですね〜。