蟲師(ネタばれあります)

そういえば先日「蟲師」映画版をみました。「アキラ」の大友さんが監督だし、原作は面白いし、期待は大きかった。ベネチア映画祭でも好評だったと聞いたし!
 結論としては「かなり微妙」でした。
 民俗、風俗学的には電気が通る前の日本の山岳地帯の暮らしを丁寧に描いていて、見てて楽しめます。映像は基本的にアンダーぎみなんですがあまりに暗すぎてよく見えない場面もありました。(でもまあ、日本の古い家屋は暗いからこれでいいのかもしれないが)CGが流石が大友さんで、これくらい綺麗に日本の原風景に溶け込んだ自然な感じはそうそう表現できないと思う。キャラクター設定ですが、オダギリジョーのギンコはなんだかちょっと浮いてました。もっと渋めの人がよかったかも。ヌイ(江角マキコ)と淡幽(蒼井優)はかなりハマり役で特に淡幽はとてもカッコイイ!しかしギンコが彼女の事を「好きだ」と独白するシーンがあって座席からずり落ちそうになりました。お前は「好きな子に好きって言えない小学生か!」って感じでした。大友さんの中にある少年性がこうさせてしまったんでしょうか?
 シナリオの中でのエピソードの配分ミス(尻つぼみ)、展開が無い、テンポが悪い・・・などから総合的には失敗臭いです。
 ベネチア映画祭でウケたのはオリエンタリズムのお陰とみた。
どうなるんだ大友監督…。次回作に期待。