摂食障害と腐女子について

 今日は池袋で撮影のお仕事でした。家にいったん戻って機材を置いてから白金にある某大学の授業へ。801・BL論を扱う授業です。今日は発表する日なのでレジメを30部コピーして行きました。コンビニで両面印刷して、走って教室へ!
 今回は摂食障害腐女子についてがテーマで中島梓の「コミュニケーション不全症候群」の第四章の「ダイエット症候群」を要約して発表しました。
 「ダイエット症候群」(摂食障害)は元を正せば「コミュニケーション不全」なんじゃないの?そして根っこでは「腐女子文化」とつながってるんじゃないの?という筋立てです。
 しかし、中島梓の文章は正直論文というには厳しいです。言っている事は感覚的にはわかるんですが、全く論理的でないので学術向きではないんです。担当しているI先生が「中島さんの文章はシャドーボクシングみたいなもんです」と言ってたけど、その通りでいろんな方面から攻撃されたり、ツッコミいれられるのをあらかじめ避ける為にあの手この手で論理展開していて、しかもそれが整合性がとれなくなって、自壊している模様です。
 彼女が腐女子前夜の創世記を開拓して来たという意味では誰しもが彼女を認めているけれど、彼女の「上から目線」が結局リアルタイムで苦しんでいる人にはいい印象をもたれないのではないでしょうか?なんだかんだ言って中島先生は世の中的には「勝ち組」だからね。(中島梓栗本薫=グインンサーガとかで印税ガポガポ)すでに「かつて拒食症だった」事や「JUNEをつくってきた」事も免罪符としては薄いなあと思いました。その辺りの事は小泉蜜さんのサイト「BBS漫画夜話」に載ってるので見てくださいな。
 後、気づいたのはマイノリティー全般に言える問題としてマイノリティー内部での世代の断絶があると思います。一番辛い想いをしてきた世代の反骨精神と、今はそれほど圧力を受けていないニュータイプの間には自分たちの自己イメージに格差があって、旧世代はその格差にイラついているという(まあ在日コミュとかではそういう話はよくあるよね)・・・これが今腐女子業界にもあると思うんですね。まあ、でも私は今まで「女に生まれて来た呪縛」としてやおいとかに親しんで来た10代と「摂食障害で三途の川見た」20代を大切にしつつも「女が性をアグレッシブに楽しめる」30代も送って行きたいと思います。
 要するに、旧世代には密かに感謝しつつ(面とむかっては恥ずかしいから)その屍を乗り越えて新たな大海にこぎ出ていくのが健康的なんじゃないかな?って思ったヨ!happy 801 life おくれるといいね!
 (うっかり書くの忘れてましたが、私は実は中島梓が書いた「タナトスの子ども達」を摂食障害現役の時に全肯定して崇拝していた過去があるので、今回はあえて批判的に分析する様に自分に課しました。だから、まあ大げさにいえば彼女は命の恩人でもあるので、まあ、親に反抗してるヤンキーみたいなもんだと思ってください)

「悪い思い出は、忘れちゃいけない!」…『腐女子マンガ大系』への疑問 http://d.hatena.ne.jp/m-abo/20070704
「終らない学園祭」 http://d.hatena.ne.jp/rena1125/20070611





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