「not simple」
(ネタばれありマス)
BL業界でもこの作家ただものじゃないという噂は聞いていたが、予想を上回る秀作だった。円環型の群像劇形式というのはまあ、ここ数年よく映画や小説、漫画でもみられた方式だけど。でもとてもきもちのいい仕上がり方になっている。作為がないところがこの作家の一番いいところなんじゃないだろうか?
淡々と事実を重ねていく事、突き放しているわけでもなければ、キャラクターへの愛におぼれてもいない。そういった微妙な距離感が絶妙。あ後、このストーリー読んでひさしぶりに吉田秋生の「カリフォルニア物語」を思い出しました。全く救いがありません!
画も最高にいいです。そしてやはり掲載紙は変態系の「コミックIKKI」でした。アフタヌーンがぬるくなってきた頃にこの雑誌が出てきたから世の中はうまいこと作用しあってるなと思った。
- 作者: オノ・ナツメ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: コミック
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