ワーキング・プア(NHKスペシャル)後半

 先日前半だけ見て放置していたNHKの話題の番組「ワーキング・プア」の後半をビデオでやっと見ました。なにしろ内容が強烈でどうしても先を見るのがつらい・・・という感じで前半で挫折していたのでした。
 後半では要するに貧困層の再生産について語られていた。「貧乏人の子どもは貧乏人」って事かな・・・。確かにその格差を「努力」とか「根性」で埋められればいいんだろうけれど、でも、人間なんて弱い生き物で誰しもが努力と根性で成功できるわけじゃないし、貧乏故に努力って構図はあまりに物語性が強すぎて嫌だなあ・・・と思う。
 後、私は「まったり層」っていう層があると思うんだけど、これについては語られていなかった。終身雇用や企業の安定性が無くなっている今、労働に追い立てられたり、人間性を無視された使われ方をするくらいならば、貧乏でもいいから好きなことに好きなだけ時間を割きたい、ゆっくり過ごしたいという層もいるはずで、でも団塊世代からすればそういう若者は「わがまま」「苦労知らず」とか思われてるんだろうなあ。
 一番堪えた言葉は児童養護施設で育つ中学生の親が経済的な理由が引き金になって子どもを捨てて「失踪」してしまった話だった。「お母さんが自分を面倒見切れなくなって・・・」とその子どもは自分で語っていて、その言葉がグッサリ刺さった。私はどう考えても子どもを産んだり育てたりできない人種だと思うんだけど、やっぱりこういう事やってしまいそうだから・・・。自分一人の面倒をみるのが精一杯。こんなに不安定で不安な世の中で低層階級で子育てがどんなに大変かなんて目に見えてる。昔のような地域の繋がりがあるわけでも無い中でとてもじゃないけどとても安全に安心して子育てなんて絶対にムリだと思うもん。
 そこんところが政府は全然わかってないと思う。解ってないくせに「産め」とかいうな!って思う。いいもん非国民で。いいたけりゃ言えって感じ。
 国は金持ちがバブリーに金儲けして、景気も回復して、それで余ったお金を貧困救済に回せばいいって思ってるんだろうけど、企業がきちんと人を育てたり、社会貢献したり、最低限の倫理をまもったり、労働による自己の尊厳とかを持たせたり、そういう社会の基本的な部分を無視した金儲け主義が日本自体の社会的な基礎体力を疲弊させてるんじゃないか・・・って番組では語ってて、それは本当にそうだと思う。
 「リベラル」な経済ゲームに参加しない人でもどうにか週40時間労働の枠内でそれなりにゆったりと生きていける平均的な社会・・・それでいいんじゃないかと思うんだけど・・・。それだと「がっつり」儲からない人が満足しないんだろうね〜。でもさ〜、そんなにお金あって何に使うんだろうね?ハーレムとかつくるの?w

 日本、ゆるーい柔らかい感じでいいんじゃないスかね?どうなんでしょね?
 12月上旬にまた「Nスペ」でパート2の放映があるそうですよ〜。