映画の作り方講座(2)

 今日はとりあえず書き直したシナリオを監督に渡しました。週に必ず1本は企画を提出するというノルマをどうにか達成できました。ふう。ギリギリ間に合いました。先週提出したシナリオは アジアの某国で義勇兵をする元自衛官の女性と拒食症の少女の物語でした。今回はチビっと変えました。明確にビルマのカレン民族解放戦線で義勇兵をする元自衛官の女性と過食症の(まあどっちでもいいんだけどw)少女の物語でした。変えたのは「未熟な人がすごい人にあって成長する物語」ではなくて「国内にいても国外にいても生き方を変えられるのは自分でしかない」という割と本質的な部分に焦点を当てました。実はカレン民族に関しては前からとても興味を持っていて自分の友達にもかつて義勇兵をしていた人がいるんだけど、疑問だったのは【どうして日本人が海外で武装闘争にわざわざ参加するのか】についてでした。それに応えてくれた人が西山孝純さんの手記でした。彼は97年にマラリアで亡くなっていますが、多くのテキストを残しています。そして彼に関しては文献だけでなく映像も残っているようです。このビデオを見たジャーナリストの方の日記を読んで「ああ、西山さんを映像化してみたいな」と思いました。それを託したのが今回のシナリオの主人公の明日香でした。
 後、ずっと気になっていた「姉のいた夏いない夏」というキャメロン・ディアス主演の映画がありますが、これあの「メリーに首ったけ」のキャメロン・ディアスIRAでゲリラをやって人を殺してしまった女性の役を演じていて、主人公フェイスは自責の念にかられて自殺してしまうんですね。で、この女性の妹が姉の足跡をたどって行く中でだんだん成長していく(はずの)話なんですが、姉の元カレとセックス=大人になる・・・っていうシナリオなんですよ。この映画見た時に男とセックスして大人になれるんだったら新島(※1)にでも行っとけ!と思ったんですね。せっかくいいプロットなのに台無しなワケです。犬にでも喰わせとけと思った映画です。だから今回のシナリオはその映画のリベンジでした。(意味が違うけど)

 シナリオというものは自分が体験した事でなくても思い入れがあるだけでかなり感情移入できるものですね。書いていて何度も泣きそうになりました(ナルシストなのかといわれればそうなのかもしれないけどw)
 人って自分が本当に体験した辛い事、悲しかった事、受け止めれなかった事をそのまま記憶の中にとどめておくのがとても難しい生き物だと思いますが、それは必ずその人の底のどこかにそっと隠れているもので、それをどうにか昇華したものが表現になったとき、人は救われるのかもしれないなあと思いつつ書いてみました。

 西山氏関連 http://uzo.net/mag/mag_011.htm
       http://www.uzo.net/notice/lin/freedom/freedom1/freedomj/jvf-00.htm#5_6
 カレン民族解放戦線記事
       http://www.ekokoro.jp/world/webgallery/myanmar01/photo07.html

 姉のいた夏いない夏 http://www.gaga.ne.jp/invisiblecircus/
 ※1 日本には新島という島があります。フリーセックスの島らしいです。でもすごく昔の話なんで、若い人は知らないですし、知らなくてもいいです。
98780